「最近なんだか疲れやすい」、「人間関係でストレスがたまっている」・・・そんな時、猫と過ごす時間があなたを優しく癒してくれるかもしれません。
この記事では、猫がもたらす癒し効果や心理的メリットを、科学的根拠をもとにわかりやすく解説します。
猫好きさんはもちろん、猫を飼おうか迷っている方にも役立つ内容です。


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(2024年2月の時点では88万件でした。)
1.科学が証明する「猫の癒し効果」

猫といると「なんか落ち着く」、「癒される」・・・それは気のせいでも、ただの“猫好きあるある”でもありません。
実は、“科学的に証明がつく「癒しの仕組み」”が、猫にはあるのです。
ゴロゴロ音には“癒しの周波数”がある
猫がリラックスしている時に喉を鳴らす「ゴロゴロ音」。
この音の周波数は25~150ヘルツと言われていて、人間の体にとって非常に効果的とされています。
- アメリカ・カリフォルニア大学の研究によると、この音域は猫の成長や修復、筋肉や腱の回復にかかわるという報告も。
- さらに、猫のゴロゴロ音には人間の「副交感神経」を優位にし、心拍や血圧を落ち着かせる効果があることも指摘されています。
リラックスしている時に働く神経。緊張やストレス状態にあるときに優位なのは「交感神経」。
猫と過ごすことでこのバランスが整う=自律神経の安定に繋がるということです。
猫との触れ合いでは「幸せホルモン」が出やすい
猫と触れ合うと、私たちの体内では「セロトニン」という幸せホルモンが増えます。
そして、猫への愛おしさから「オキシトシン」という幸せホルモンも溢れます。
これは、「癒される」というただの気持ちだけではなく、身体の化学反応として本当に起きていることなのです。
- ペットフードメーカー「Purina」の調査では、猫と接することでセロトニン・ドーパミン・オキシトシンが増加するという報告があります。
- コーネル大学の学生を対象とした研究では、試験期間中に猫を10分撫でるとストレスホルモンが下がり、気分を高めるホルモン(セロトニンなど)が増加したと示されています。
ホルモン名 | 通称 | 主な効果 | 猫との関係 |
---|---|---|---|
セロトニン | 心の安定ホルモン | イライラ・不安を抑える | 撫でる、見て癒される |
ドーパミン | 快感・やる気ホルモン | 達成感・楽しい気分 | 猫と遊ぶ、笑う |
オキシトシン | 愛情・絆ホルモン | 安心感・信頼 | 抱っこ、甘えられる |
猫と撫でたり、猫と遊んだり、猫との信頼関係を築いたり・・・ネコファーストな暮らしの必須条件が、実は飼い主さんにとってもいい効果を与えているというわけです。
2.猫と暮らすことで得られるメンタル面のメリット

ひとりでも平気そうに見える猫。
だけど、「誰かと一緒にいる」ことの力を私たちは猫から学んでいるのかも知れません。
猫といると「孤独感」が減る
猫は言葉こそ話せませんが、そこにいてくれるだけで不思議と安心感をくれます。
帰宅した時に、「猫が出迎えてくれると疲れが吹き飛ぶ」という飼い主さんも多いです。
特に一人暮らしや在宅ワークでさみしさを感じがちな人にとっては、猫の存在はかなり大きな癒しに。
私自身も猫と暮らしてから、愛猫がそっと近くにいるだけで「私はひとりじゃない」と思うようになりました。
オーストラリアの研究(Macquarie University,2015)によると、猫の飼い主は「日々の孤独感が少ない」という結果が出ています。
猫は“マインドフルネスの達人”
猫と暮らしていると、怒りや焦りといった感情が和らぎやすくなります。
その理由は、猫のまったりした感じが人間の気持ちに作用し、落ち着かせてくれるからです。
イライラしていても、猫のふとした動きや変な姿、何とも言えない表情なんかを見ると、くすっと笑ってしまうことも。
猫の存在が、私たちの「注意」が“今この瞬間(猫)”へと引き戻すのです。
これは心理学的に「マインドフルネス」と呼ばれる状態に近いもので、ストレスを減らし、不安感やうつ症状を和らげる効果があるとされています。
(カナダ・ブリティッシュコロンビア大学研究,2018)
「誰かに必要とされる感覚」は心を支える
特に一人暮らしの人や、高齢者、HSP気質(繊細さん)の人にとって、「猫が待ってくれている」という日常は大きな支えになります。
「この子のために今日はちょっと頑張ろう」と思える・・・それは、猫が“生きる目的の一つ”になってくれているからなんですね。
3.猫と暮らすことで幸福度が上がる理由【科学的根拠】

猫は、人の“人生の質”そのものに影響している。
そんな研究結果が、いくつも存在します。
データ①猫を飼っている人は幸福度が高い
アメリカの調査期間「General Social Survey」によると、猫を飼っている人は、飼っていない人に比べて「幸せ」と答える割合が高いことがわかっています。
特に女性において顕著で、「猫と暮らす日々」が自己肯定感を底上げしてくれる可能性が指摘されています。
データ②ペットの存在は「お金」と「配偶者」に匹敵する
イギリス・ケント大学の調査では、ペットと暮らすことは、年間1,200万円の収入増や、結婚生活に匹敵する幸福感をもたらすとされました。
実際、2,500世帯を対象にした調査では、ペットがいることで満足度が3~4ポイントも上昇したのです。
さらに、配偶者を亡くした高齢者でも、ペットがいることで寂しさや落ち込みがずっと緩やかになったことがわかっています。
データ③信頼関係が心の安らぎを深める
猫の約6割が、不安な時に「飼い主という安全基地」を必要とすることが研究でわかりました。
さらに、声かけやスキンシップは猫自身もオキシトシンが増えることが確認されていて、お互いに“安心”の気持ちが育まれているのが科学的にも証明されています。
猫の脳には約2億5千万の神経細胞があり、人間と似た構造をしているのです。
「猫は飼い主を忘れる」なんて言われていますが、実は記憶力がよく、長期的な信頼関係を築くことができます。
データ④心臓病のリスクが減る
ミネソタ大学の研究(2008)では、猫を飼っている人は飼っていない人に比べて、心臓発作で死亡するリスクが30%以上低かったというデータがあります。
「猫をなでる」、「猫と見つめあう」・・・こうした行動だけで、人のストレスホルモンが減少し、血圧や心拍が下がるという実験結果もあります(米ウィスコンシン大学,2013)。
データ⑤認知症予防の効果がある
東京農業大学の長澤巧さんが行った実験結果によると、猫との触れ合いで脳が活性化することが明らかとなりました。
その理由として、猫と触れ合うときに人は思考を巡らせるからだそうです。
更に、猫との暮らしでは「どうすればいいのか?」を考えることがたくさん。そういった考え事により脳機能が活発になり、認知症予防にも効果的だと考えられています。
【まとめ】「癒される気がする」は、ちゃんと“本当”だった

猫といる時のあの安心感、静かな満足感。
それは気のせいではなく、科学が裏付ける「癒しのメカニズム」なのです。
猫は、話さなくてもいい。アドバイスもしない。
でも、「いてくれるだけでいい」という最高の存在。
もし、あなたが今ちょっと疲れているのなら、猫との暮らしを、少しだけ想像してみてください。
それはきっと、“あなたの人生に、静かに寄り添ってくれる変化”になるはず。

猫を飼うか迷ってる人は、猫のためにもデメリット記事にも目を通しておいてくださいね。
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