猫が何度もトイレに行く、血尿が出ている・・・。
こうした症状は「膀胱炎」が原因かも知れません。
しかも膀胱炎は一度治っても再発しやすく、飼い主さんにとっても悩みの多い病気。
でも実は、日常のちょっとした工夫で予防出来ることもあります。
この記事では、膀胱炎の原因や症状、そして今日からできる5つの予防法をご紹介します。
「知らなかった」で後悔しないためにも、是非最後まで読んでみてください。

猫の膀胱炎とは?まずは知っておきたい基礎知識
膀胱炎とは、膀胱に炎症が起きる状態を言います。
猫の膀胱炎は「特発性膀胱炎」と呼ばれ、明確な原因がわからないケースが多いのが特徴です。
特に、“ストレス”と“水分摂取量の少なさ”は大きな原因とされています。
猫の膀胱炎は再発しやすい
そもそも猫は膀胱炎になりやすい
元々砂漠で暮らしていた猫は、必要な水分を食事でまかなえるようになっているので、お水を飲む習慣がありません。
そのかわり、体内の水分をなるべく逃がさないよう、猫の体はおしっこを凝縮するつくりになっているんです。
ただ、この凝縮した濃いおしっこが、膀胱炎の原因のひとつでもある結晶をできやすくしているのだそう。
つまり猫はそもそもが膀胱炎になりやすい体質をしているということになります。
実際、ペット保険のアニコム損保によると、6歳未満の猫の保険金請求件数は膀胱炎が2位となっていて、猫の宿敵である腎不全の次に多いそうです。
約50%が再発するというデータが・・・
特発性膀胱炎にかかった猫さんの約半数が1年以内に再発するという研究結果が報告されているとおり、膀胱炎は1度かかってしまうとその後も油断はできません。

5年間再発してなかったのに、ちょっとした油断と環境の変化でそよちゃんも再発してしまいました。
膀胱炎は繰り返すと治りにくくなる可能性も
膀胱炎自体は命に関わる病気ではありませんが、だからと言って「その都度治せばいいや」なんて考えでいると、取り返しのつかないことになってしまいます。
というのも、膀胱炎によって尿道閉塞(おしっこが詰まる危険な状態)を引き起こす可能性がありますし、繰り返すことで腎臓にも負担を与えてしまうからです。
腎臓と言えば腎不全・・・猫の天敵と言われている病気なんですよね。
腎不全の予防は「腎臓に負担を与えないこと」と言われていますから、ただの膀胱炎なんて侮っちゃいけないんですよ。
猫の膀胱炎を予防するための5つの生活習慣
じゃあどうやって予防すればいいのか。膀胱炎の原因を元に、私も実際やってる方法を5つ紹介しますね。
水分をしっかり摂ってもらう工夫を

濃いおしっこが結石を出来やすくしてしまうので、おしっこを凝縮しないよう十分な水分補給が効果的と言われています。
- ウェットフードに切り替える(または併用する)
- お水を複数置く(各部屋に1個ずつなど)
- 自動給水器を使う
ドライフードをメインであげてる場合は、1食分をウェットフードに変えるだけでも全然違ってきます。
ウェットフードが苦手な子の場合は、「㏗コントロール」や「下部尿路配慮」と記載されたちゅーる系のおやつがオススメ。
おやつが不安な飼い主さんは以下記事を参考に↓
我が家の愛猫そよちゃんはなかなかウェットフードを食べてくれないので、neco-ri(ねこり)という腎にも膀胱にも安心なおやつをあげています。
とはいえ、おやつウェットフードを食べてもらうのが最善策ですね。
トイレはいつも清潔&快適に

トイレが汚れていたり、落ち着かない場所にあると猫はおしっこを我慢しがちです。
おしっこを我慢すると膀胱の中で水分が再吸収されてしまい、尿が濃縮して炎症が起きたり結石の原因になるので、出来るだけいつもきれいな状態にしてあげてくださいね。
- おしっこやうんちはすぐに捨てる
- 「猫の数+1台」のトイレを置く
- 静かで人通りの少ない部屋に置く(洗面所、トイレ、玄関以外)
猫がトイレに不満があるかどうかを見極めるポイントは以下の通りです。
特にシステムトイレを使ってる場合、砂の粒の大きさや掃除の頻度によっては「気に入らない」という猫さんも多いので、一度見直してみてください。
おやつを控える
療法食などで治療してる間は、獣医さんからもおやつの制限されるかと思いますが、治ってからも控えるに越したことはないですよ。
ただ、おやつには水分補給などの猫にとってのメリットも多いですから、あげるなら
- 塩分控えめ
- pHコントロール
- ミネラルバランス調整
がされてるものがいいです。
ちなみにですが、心配症すぎる私は上記した3点+腎と膀胱のケアができるというneco-ri(ねこり)しかあげていません。

そして自分が愛猫にねこりしかあげていない以上、皆さんにもねこりしかオススメしません。笑
食事内容を見直そう

膀胱炎や尿路結石の予防には、食事のミネラルバランスや㏗値の管理も重要です。
今現在特に意識したフードをあげてないのであれば、膀胱(結石)に配慮した栄養バランスのいいキャットフードがオススメ。
あくまで配慮の範囲ですが、毎日食べるものなのでなりにくい体質作りの役には立つでしょう。
また、肥満はおしっこの通り道を圧迫することで膀胱炎のリスクが上がるとも考えられますから、フードのあげすぎには要注意ですよ。
ストレスの少ない環境作り
検査しても石や細菌が見つからず、原因がはっきりわからない膀胱炎の場合は、ストレスの可能性もあります。
環境の変化や多頭飼いのストレスが膀胱炎の原因になることも。
ストレスは膀胱炎以外の病気も引き起こしてしまうので、環境の見直しは重要。
また、運動はストレスの発散や㏗にも影響があるので、猫の場合は毎日しっかりと遊ぶことが大事。
重要なのは動くことではなく、狩猟本能を満たしてあげることなので、よくわからない方は「猫との遊びかた」を参考にしてみてくださいね。

健康チェックを習慣化する
1日のおしっこの回数や量を飼い主さんが把握しておくことで早期発見もできます。
日々観察し、いつもと違うなと感じたら早めの受診を。
- 尿の色、量、におい
- トイレの回数
- 排尿時の様子
ちなみにですが、私はAIトイレに任せています。

システムトイレを使っていない猫さんには、キャットログボートがおすすめ。

どっちも気になる方は、トレッタorキャットログボード記事をご参照ください。
再発を防ぐために知っておいて欲しいこと
膀胱炎は、治ったとしてもまた再発することが多い病気で、飼い主さんの油断というか、「健康管理のゆるみ」から再発するパターンも多いんです。
- ストレスをぶり返す
- トイレ環境が再び悪化する
- 食事管理がゆるむ
健康な間は油断しがちですが、再発した時にかなり悔やむことになるので、「健康な今の状態」を続けることが大事ですよ。
【体験談】うちの猫が膀胱炎になった時の話

初めての異変
おしっこをする時に鳴いていたので、固まった砂を確認したところうっすらピンク色に。
まだ子猫だったこともあり、調べれば調べるほど怖いことが書いてあったので急いで動物病院に連れて行きました。
動物病院での診断
症状を伝えると「膀胱炎ですね」と注射を打たれ治りましたが、当時はまだ猫初心者で無知だった私は何も聞かずに帰宅。
半年後再発した時に別の病院で診てもらった際は、「ストルバイト結晶」が発覚し、獣医さんから詳しい説明を受けて療法食で治療しました。
その後の対策と結果
1ヵ月近くの療法食生活を続け、再検査した時には結晶も綺麗になくなり完治。
獣医さんから繰り返すと良くないことも詳しく教えていただいたので、
- フードの見直し
- トレッタキャッツの導入
- 毎日の狩り遊び
など予防のために気を付けていたのですが、娘の結婚を機に5年ぶりの再発(ストルバイト結晶)。
ただ今回はトレッタのおかげで早期発見ができたので、結晶は前回よりも少なく、“排尿時に鳴く”、“血尿”といった症状はまだ出ていませんでした。
ただ、私自身忙しかったことを理由に、健康管理がゆるんでいたことは確か。
獣医さんから「結晶が出来やすい体質かも知れない」と言われたので、今後は油断せずにしっかりとケアしていこうと思っています。
猫の膀胱炎に関するよくある質問
- Q猫の膀胱炎は自然に治るの??
- A
軽度で治ることもあるそうですが、放置すると悪化し愛猫に痛くてつらい思いをさせてしまうので、必ず動物病院を受診してください。
- Q膀胱炎が何度も繰り返すのはなぜ??
- A
原因が特定しづらい特発性が多い為、再発しやすい傾向があります。
- Q療法食は続けるべき??
- A
療法食は治療の為に栄養バランスが偏っているので、結晶や結石がなくなったら総合栄養食に戻すのが理想的。原因を知れば対策ができるので、そもそも結晶が出来にくいように工夫することの方が大事です。
【まとめ】猫の膀胱炎は日々のケアで予防できる
私自身、「知らなかった」で後悔したことがたくさんあって、膀胱炎もその1つでした。
だからこそみなさんにも知って欲しいんです。
治療はプロに任せるしかないけれど、飼い主のちょっとした行動で予防や再発防止は可能だと。
- よく観察する
- たっぷり水分補給してもらう
- 安心できる環境を整える
この3つが膀胱炎予防のカギとなるので、皆さん一緒に頑張りましょうね。
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