愛猫が尿検査でストルバイト結晶が見つかった・・・。
今回は、こんな不安におこたえします。
猫の尿検査で引っかかって初めて、ストルバイトという言葉を知った飼い主さんも多いかと思います。
かくいう私もそうで、今回5年ぶりに再発しちゃったため前回よりも徹底的に調べました。
その結果、仕組みが分かれば予防はできることがわかりました。
(勿論100%ではない)
というわけでこの記事では、ストルバイト結晶・結石についてまだよくわからない、再発が心配という飼い主さんのために、詳しい解説や今後役に立つ予防策を紹介します。
ストルバイト結晶とは??
まず大前提に、
- 尿に含まれるミネラル成分が結晶化したものを「ストルバイト結晶」
- 結晶が集まって結石になる状態を「ストルバイト結石」
と言います。
「ストルバイト結晶=病気」と思われがちですが、実はストルバイト結晶の時点(結石がない)では症状がなければ特に治療は必要ないとも言われてるんです。
というのも、結晶の場合顕微鏡でしか確認できない大きさで、おしっこと一緒に外に出ますし、健康な猫の70%以上に結晶があったという報告もあるからです。
それに、簡単な治療法のひとつである療法食は総合栄養食に比べ、栄養が偏っていますからね。
あ、でも結晶の時点でも「石になる前に・・・」と治療を勧める獣医さんがほとんどです。
ですが結石の場合は尿道や尿路に詰まったり排尿困難になったりしちゃうので、ちゃんと治療しないと命に関わることも。
つまり、結晶が見つかっても症状や結石があるかないかで緊急性や、今何をすべきかが変わるという訳です。
ストルバイト結晶・結石の症状
ストルバイト結晶・結石の症状は以下の通り。
- 頻繁にトイレに行く
- いつもとおしっこの色が違う
- トイレに行くがおしっこが出ていない
- おしっこの量が少ない
- トイレでじっとして動かない
- おしっこの時に鳴く
ひとつでも症状があるなら尿検査は絶対にしてあげてくださいね。悪化する前に治療しないと危険です。
とはいえ頻度や量はわかりにくいかと思うので、日頃の猫さんのおしっこ情報は飼い主さんがしっかり把握しておかなきゃいけません。
再発が心配ならトレッタキャッツやCatlog Board を使うといいですよ。
データを記録してくれるのでアナログじゃわからないような小さな異変にもすぐに気付くことができます。
詳しくは公式サイトをチェック。
ちなみにですが、我が家ではトレッタキャッツを使っていて、そのおかげで今回の再発の早期発見が出来ました。
ストルバイト結晶はどうやってわかるのか?
結晶は尿検査でわかります。
症状がない、もしくは軽い場合は気付けないかもしれないので、完治したとしても定期的に尿検査だけでもした方がいいですよ。
ただ、尿検査だけだと
- 石があるかどうか
- どこにあるか
まではわからないので、場合によっては超音波検査もした方がいいですね。
ストルバイト結晶の治療は主に食事療法
ストルバイト結晶の治療は主に食事療法で、獣医さんの指示に従って療法食で結晶や石を溶かします。
療法食とは?
療法食とは、「栄養成分の量や配合されてる比率が調整されている、病気の治療を目的に作られたキャットフード」のことです。
ストルバイト結晶・結石の療法食には
- 低リン
- 低マグネシウム
- 尿の酸性化
といった特徴があり、結晶や結石を溶かす効果があるので、基本的には療法食を食べるだけで治せます。
ストルバイト結晶・結石のオススメ療法食
ストルバイト結晶の療法食は何種類も販売されてますが、私が獣医さんに勧められたのは以下の2つ。
調べたところ他にも、
などもあるので、どれにしたらいいかわからないって方は獣医さんに相談してみてください。
ちなみにですが、そよちゃんにはロイヤルカナンの療法食を食べてもらい、約1ヶ月ほどで治りました。
療法食への移行は徐々に
「重症化する前に早く治したい!」って気持ちはめちゃくちゃわかりますが、療法食も普通のフードの移行と同じく、ちょっとずつです。
一気に変えると嘔吐や下痢になっちゃいますから、「いつものフード:療法食」を「9:1」から始め、7日〜10日間かけて移行してあげてくださいね。
療法食を続けるリスク
「ストルバイトが治った後も療法食を食べさせ続けるかどうか?」については、獣医さんによって意見が違います。
私がお世話になってる獣医さんは、「治ったらまた元のフードに戻した方がいい派」。
というのも、ストルバイト結石の療法食は石を溶かすために作られているので、簡単に言うと栄養バランスは良くないんだそうです。
それに、やはり猫の体と健康を考えた最適な栄養バランス基準をクリアしているのは「総合栄養食」ですから、治ったあとも療法食を食べ続けるのは理想的ではないというか・・・
出来れば療法食以外の方法でケアするのがオススメですね。
戻す時もフードの移行はちょっとずつ、時間をかけてください。
予防のために療法食をあげていいのか?
結論から言うと、健康な猫さんに療法食を食べさせても予防にはなりません。
結石用の療法食は石を溶かすために作られているので、予防目的で与えるものではないんです。
また、お水をたくさん飲むように塩分も少し多めに配合されているため、健康な猫さんには与えないようにしましょう。
ストルバイト結晶・結石のその他治療法
食事療法以外の治療法は2つあります。
①抗生物質の投与
ストルバイト結晶は細菌感染が関係してる事が多いので、抗生剤を処方されることもあります。
ただ、抗生剤が効きにくい場合は尿培養(採取した尿に含まれる細菌を繁殖させる検査)をして適切なお薬を出してもらわないと、菌が残り再発を繰り返してしまいます。
要は、菌によって効果がある薬を探さないといつまでと続くよーってことです。
②外科治療
療法食で石を溶かすのにはそれなりに時間がかかっちゃうんですよね。
なので結石が確認された上で、
- 猫さんの状態が悪い
- 石が危険な場所に結石がある
- 結石が大きい、結石が多い
など、急いで石を取らないと危険な場合は手術になります。
手術は猫にとって負担が大きいので、1度でもストルバイト結晶になったなら定期的に尿検査するようにしてくださいね。
ストルバイト結晶治療中におやつはあげていいのか?
ストルバイト結晶治療中の猫さんには、おやつをあげない方がいいです。
というのも、猫のおやつには塩分が高いものだったり、せっかく療法食で調整してるミネラルバランスを崩してしまったりするものもあるからです。
とは言え、一切おやつをあげないのもかわいそうだし、療法食だけだと食べてくれなかったり、食欲が落ちたりすることもあるかと思います。
その場合は尿路疾患(おしっこトラブル)がある猫さんでも食べれるように作られた特殊なおやつもありますから、一応獣医さんに相談してからあげるようにしてください。
ちなみに私のオススメおやつは「neco-ri(ねこり)」。
腎や膀胱に不安のある猫にも安心してあげられる、成分と食いつきに全振りしているおやつです。
詳しく知りたい方はneco-ri公式サイトまたはねこりレビュー記事をチェックしてね。
ストルバイト結晶の原因を知れば予防が出来るのか??
実は厄介なことに、ストルバイト結晶のはっきりとした原因はわかってないみたいです。
ただ、
- 尿pHのアルカリ化
- 炎症
- 水分不足
が関係してる可能性があると考えられているので、以下5つのことに気をつければなりにくくすることは出来るかも知れません。
- 運動
- フードの見直し
- おやつ
- トイレ環境
- 水分補給
①尿pHのアルカリ化予防
少し難しい話をすると、「尿pH」というおしっこの性質(アルカリ性/酸性)があって、健康的な尿pHは「やや酸性(数値で言うと6前後)」だそうです。
そして、
- アルカリ性に傾いた状態が長く続くと「ストルバイト結石」
- 酸性に傾いた状態が長く続くと「シュウ酸カルシウム結石」
になりやすいと言われていて、アルカリ化は細菌も発生しやすく膀胱炎になるリスクもあります。
だからといって酸性にしすぎると次はシュウ酸カルシウム結石のリスクがあがってしまうわけですよね。
療法食を長期間食べるリスクがこの、シュウ酸カルシウム結石なんですよ。
じゃぁどうしたらええねんって話ですが、運動したら酸性に傾きます。
尿pHとは、満腹の時、寝ている時、運動の時などでアルカリ性になったり酸性になったりと、一日の中でも変動しながら安定していくものなんです。
なのでしっかり運動させてあげて、満腹時のアルカリ性から酸性寄りに戻していくのが大事。
他にも、
- 一気にたくさん食べる
- 消化の悪い食事
なんかも尿pHをアルカリ性に傾けちゃうので、気を付けてあげましょう。
②リンとマグネシウムの摂取量
尿pHのアルカリ化は、食事内容によっても変化します。
たとえば、
- リンとマグネシウムの過剰摂取
- 食事回数が少ない
- 1回の食事量が多い
となると、pHが急激にアルカリ化してしまうこともあるんです。
特にリンの過剰摂取に関しては、唯一腎不全の原因となっていることがわかっています。
つまりは、リンやマグネシウムといったミネラルバランスが良いフードを、出来れば1日3回以上に分けてあげることが予防に繋がるというわけです。
③おやつ
おやつに関しては『猫のおやつは体に悪いのか?』でも詳しく書いてますが、あげすぎるとミネラルバランスが崩れストルバイト結晶を発生させる可能性はあります。
ですが最近では「ミネラルバランスの調整」や「pHのコントロール」がされたお手頃なおやつも多いので、ストルバイト結晶が出来やすい体質の猫さんはおやつの頻度を減らしてあげるといいかもしれません。
④水分不足の対策
水分が足りずにおしっこの回数が少ないと、
- 尿路におしっこが長い時間溜まる
- 菌が繁殖する
- 結晶や結石が発生する
という仕組みを作ってしまいます。
また、水分不足はおしっこが濃くなっちゃうので結石化しやすくなるんですよね。
逆に言うと、しっかり水分が摂れれば結石化しにくくなるので、ドライフードがメインの猫さんにはウェットフードをあげるといいですよ。
ただ、飼い主さんや猫さんによってはウェットフードを毎日あげるのは厳しい・・・ってこともあるでしょうから、その場合は必ずお水を飲んでもらう工夫はしましょうね。
⑤トイレを清潔にする
おしっこの中に菌が増えると、膀胱に炎症ができてストルバイト結晶を作りやすい尿環境になってしまいます。
なのでいつでも快適におしっこができるよう、トイレ環境は超大事。
おしっこを我慢させないためにも、トイレ不満サインがないか普段からトイレの様子も気にしてあげてくださいね。
https://ottanmental.blog/systemtoilet03/cats-live/
トイレ中の様子がいつでもどこでも見れて、おしっこのデータが残るトレッタキャッツなら、小さな異変にもすぐに気付けて便利ですよ。
ストルバイト結晶・結石の再発を繰り返す場合
再発を繰り返す場合は細菌感染が関係していることが多く、以下2つの原因が考えられます。
- 菌が残っている
- 菌が侵入する環境にある
①細菌を撃退しきれていない
抗生物質が効かない菌が残っている可能性があるので、ちゃんと残ってる菌が何かを調べ(尿培養)、その菌に効く薬を使わないと完治はしません。
獣医さんに尿培養検査をお願いして憎き菌を撃退してあげましょう。
②細菌の再感染ルートがある
培養検査をして菌が見つからなかった場合は、どこからか菌が侵入してる可能性が考えられ、その多くは“お口”だそう。
要は、歯周病ですね。
猫の歯磨きは難易度が高いですが、歯周病は色んな病気を引き起こすと言われています。
歯磨きがなかなか出来ない場合は、定期的な健康診断でお口の中も診てもらい、出来れば歯石除去をしてもらうといいですよ。
ちなみにですが、『neco-ri(ねこり)』は炭で作られたおやつなので歯石予防にもなるんだそうです。
うちのそよちゃんも歯磨きはほとんで出来てないので、効果はさておき「歯磨きできるおもちゃ」とか「歯磨きおやつ」に任せています。
【まとめ】ストルバイト結晶の早期発見・早期治療・再発予防で愛猫を健康に!
どんな病気もそうですが、体質もありますから、どれだけ気をつけていてもなるものはなるんです。
ですが、早い段階で気付いてあげることが出来れば猫さんの負担も少なくすみますからね。
そして、大事なのは再発の予防です。
少しでも可能性のある原因を知り、なくしていくことが私たち飼い主の務めですから。
ずっと健康で長生きしてもらうためにも、お互いに頑張りましょうね。
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