
安全なキャットフードを見極める基準がわからない・・・。愛猫が食べてるものは大丈夫なのかなぁ??
今回はこんな悩みにお応えします。

「猫に穀物は危険」や、「市販のフードは良くない」など、キャットフードに関する情報は様々。
一体何が良くて何がダメなのか、わからなくなってきますよね。
そこでこの記事では、猫の体にとって安全かどうかを見極める5つの条件を紹介します。
フード選びに悩んでる方、今現在与えてるフードに不安がある方も是非、参考にしてみてください。
安全なキャットフードを見極める5つの条件
基本的にキャットフードは全て安全なように作られていますが、主原料や添加物によっては、「健康的ではない」と考えられるフードも実際沢山あります。
なので「安全」というよりは「より安全」なフードを見極めるための、5つの条件を紹介します。
条件①主原料に『肉』が使われている
肉食動物の猫にとって必要な栄養素は、動物性食材にしか含まれてません。
なので主原料に「肉(魚)」が使われているかどうかは重要ポイント。
キャットフードの原材料は量の多い順で記載されてるので、一番最初に肉類が記載されてるものを選ぶといいでしょう。
主原料が肉であれば、穀物が入っていても35%を越えなければ問題ないですよ。
(アレルギーがない場合に限る)

じゃぁ別にグレインフリーじゃなくてもいいってこと?

うん。ただ、穀物が何%入っているかが書かれていないから、グレインフリーなら安心よねってことなのよ。
条件②何の肉なのか明記されている
使用してる肉が限定されている場合(例えば「乾燥チキン」や「ターキー生肉」など)、製造元は“何の肉か”を記載できるため、ほとんどが以下の画像のように表記されています。

ですが、市販のキャットフードには「ミート(または家禽)ミール」や「肉副産物」といった謎の肉類が使用されてることも多いです。
もちろん、謎の肉類がダメってわけではないですが、安全性を重視するなら出来れば何の肉かは分かった方がいいでしょう。

「4Dミート」に関しては実際のところどうなの?
- DEAD(死んだ動物の肉)
- DISEASED(病気の動物の肉)
- DYING(死にかけの動物の肉)
- DISABRED(障害のある動物の肉)
※「死んだ動物の肉」とは、処理されたものではなく“死体”のこと
キャットフードについてネットで調べていると、「安いキャットフードには4Dミートが使用されているから危険」というのをよく見かけます。
しかし、2009年に「ペットフード安全法」が施行されたことで、現在ではそのような粗悪な原材料を使用していることは考えられません。
全てのフードが検査されるわけではないため断言は出来ませんが、メーカーさんにとってもリスクが大きいはずですから、「○○ミール」や「肉副産物」が危険ということはないでしょう。
条件③着色料が使用されていない
食べ物をにおいで選ぶ猫にとって着色料は必要ないものです。
ではなぜ着色料が使用されているキャットフードがあるのかと言うと、購入する飼い主さんに美味しそうに見せる為です。
つまり、猫の為ではなく売上のためということ。
しかも、合成着色料(赤色〇号など)には海外で禁止されているものもありますから、安全を考えるなら着色料不使用のフードを選ぶといいでしょう。
条件④安すぎない
質のいい素材や製造方法、安全性にこだわるほどコスパがかかるので、キャットフードに関しても価格と品質は比例してると言えます。
新鮮なお肉を使い、天然由来成分で品質を保つとなるとどうしても値段は高くなってしまいますからね。
高価なフードが猫にとって必ずしもいいという訳ではありませんが、安価なフード=安いなりの品質とは言えるので、安全なキャットフードとなるとやはりそれなりの値段はします。
条件⑤信頼出来るメーカー
それなりの販売実績があるメーカーさんのフードなら基本は安全です。
長く選ばれているということはそれだけ品質がいいということですからね。
それに、キャットフードの質が良くなったことも、犬や猫の平均寿命が伸びた理由のひとつ。
- 何を根拠に開発されたのか
- 栄養学に基づいているのか
- 原材料名が細かく表記されているか
など、公式ページもチェックするといいでしょう。

獣医さんがロイヤルカナンを勧める理由は、ちゃんとしたデータがあるからなんですって。
キャットフードの添加物は安全なのか?

キャットフードに含まれている添加物は、ペットフード安全法により摂取しても大丈夫な量(無毒性量)しか使用されてません。
実験で毒性が認められなかった量のこと。
そこから100分の1にまで減らした量を1日の接種許容量としていて、ペットフードには更に減らした量が使用基準に決められている。
なので基本的には安全と言えますが、一部規制の緩いものもあります。
合成保存料には注意
日本医薬品添加剤協会のデータによると、保存料として『安息香酸』が含まれているキャットフードを摂取した猫に、中毒症状が見られたそうです。
なので総合栄養食ではほとんど使用されてませんが、規制はされてません。
他にも、私たちの食品には使用基準値が設定されている『ソルビン酸・ソルビン酸カリウム』も、ペットフード安全法では制限がありません。

規制や制限のない添加物ついては「よくわからない」ので、私は避けるようにしてるよ。
香料は必要な場合もある
香料に関しては、目的によって必要な場合もあります。
例えば、療法食のように食べてもらわなきゃいけない場合や、食欲がない猫に対しては嗜好性を高めるために必要ですが、それ以外では本来なくてもいいものです。
酸化防止剤は本当に危険なのか
キャットフードの酸化を防ぐために必要な成分のこと。
(酸化すると食いつきが悪くなったり、下痢や嘔吐を引き起こしてしまう事がある。)
まず結論から言うと、ペットフードに使用されている酸化防止剤は危険ではありません。

でもネットでは、「化学合成のものには発がん性があるから危険」って書いてたよ。
確かに、酸化防止剤として使用されているBHAには発がん性が認められていますが、これは「どれだけ大量投与したら健康被害が起きるか」という極端な試験による結果報告にすぎません。
しかも、ペットフードには使用基準値(無毒性量の100分の1)が定められているので、毎日摂取し続けても健康被害が起きない量しか含まれていないのです。
なので「BHAには発がん性があるから危険」というのは誤解で、使用基準値内では発がん性も毒性もないことが確認されています。
とはいえ、それでもやっぱり気になるという飼い主さんには、ビタミンEやクエン酸など天然由来成分を使用したキャットフードがオススメ。

天然由来成分でも酸化防止の役割は果たしてくれるの?

役割は果たしてくれるけど、安全な分合成のものより防止力は劣ると考えた方がいいかも。
「おすすめキャットフードランキング」について
「キャットフード おすすめ」で検索すると、色んなキャットフードランキングの記事が出てくると思いますが、ある程度の明確な根拠がないものには気をつけましょう。
たとえば、“無添加だから安全”や“ヒューマングレードだから安心”といったざっくりした説明だけでは、正確な情報とは言えません。
実際に添加物には必要なものもありますし、無添加の場合気を付けなきゃいけないことだってありますからね。
また、飼い主さんの不安を煽るような表現がされているサイトもあまりおすすめしません。
というのも、穀物や添加物も結局は摂取量ですから、「入っているから危険」とは一概には言えないのです。
「なぜ良いのか?なぜ良くないのか?」を、飼い主さんが理解した上で選べるランキングを参考にしてくださいね。

私自身も、「いやお前もやん!」と言われないように気を付けています。
【安い・安全】おすすめキャットフード5選
それでは、原材料がより安全で、理想の成分量にも近く比較的コスパのいいキャットフードを紹介します。
成分 | 目安 | AAFCO基準値 | ピュリナワン | ニュートロ ワイルド | ニュートロ ナチュラル | ウェルネス | ヒルズ |
タンパク質 | 26~40% | 子猫30%以上 成猫26%以上 | 35%以上 | 42%以上 | 33%以上 | 35%以上 | 40%以上 |
脂質 | 10~20% | 9%以上 | 14%以上 | 18%以上 | 16%以上 | 9.5%以上 | 12%以上 |
粗繊維 | 3~10% | ー | 2%以下 | 4%以下 | 4%以下 | 5.5%以下 | 8.2%以下 |
灰分 | 5~10% | ー | 9%以下 | 10%以下 | 8.5%以下 | 9.5%以下 | 6.7%以下 |
水分 | 8~10% | ー | 12%以下 | 10%以下 | 10%以下 | 10%以下 | 8.0%以下 |

目安については、『キャットフード勉強会』の「成分表の見方と目安」を参考にさせていただきました。
タンパク質・脂質・灰分の多い「ニュートロ・ワイルドレシピ」は、肉食動物である猫本来の食事に近い成分となっています。
粗繊維は3~5%が一般的ですが、7%以上と高い「ヒルズ」は毛玉ケアや体重管理に最適な数値です。
ピュリナワン|グレインフリー
- 主原料
チキン・チキンミール・えんどう豆でんぷん - 添加物/穀物
不使用 - 対象年齢
1歳以上
グレインフリーで1kg1155円というコスパ最強フード。
ペット専門栄養士による栄養設計や、鮮度を保つ小分け包装など、お値段以上すぎるオススメフードです。
ニュートロ|ワイルドレシピ・アダルトチキン
- 原材料
チキン・チキンミール・エンドウタンパク - 添加物/穀物
不使用 - 対象年齢
1歳以上
1kg2370円と少しお高いですが、猫に必要なタンパク質も豊富で、原材料に余計なものが入っていません。
肉や魚を最も多く使用する「ミートファースト」という、ニュートロのこだわりシリーズです。
ニュートロ|ナチュラルチョイス“穀物フリー”アダルトチキン
- 主原料
チキン・チキンミール・エンドウタンパク - 添加物/穀物
不使用 - 対象年齢
1歳以上
こちらも1kgで2600円と少しお値段は高くなりますが、研究所の知見を基に高い嗜好性と消化性を実現。
健康維持サポート成分配合で、体に優しいフードとなっています。
ウェルネス|ヘルシーバランス
- 主原料
骨抜きチキン・チキンミール・七面鳥ミール - 添加物/穀物
不使用 - 対象年齢
1歳以上
創業歴の長いペットフード・カンパニーが、米国にある自社工場にて生産。
500gずつ小分け包装もされているので、天然由来の酸化防止剤でも安心です。
ヒルズ|サイエンスダイエットプロ 避妊・去勢後ケア
- 主原料
米・コーングルテン・チキン - 添加物/穀物
香料・着色料不使用/使用 - 対象年齢
生後6ヵ月以降(避妊・去勢後)
獣医さんもオススメする、去勢・避妊後のリスクを考えて設計された科学的根拠を基に作られたサイエンスフード。
小分け包装で酸化もしにくいです。
安全なキャットフードを選ぶ際の優先順位
これはキャットケアスペシャリストである私としての個人的な意見ですが、健康な猫さんであれば、長い目で見て以下の優先順位で決めるのが最適かと思います。
- ある程度の品質
- 愛猫の食いつき度
- 飼い主さんにとって無理のない価格
要は、“メインの原材料が肉類”で“おうちの猫さんがよく食べてくれる”なら、高いプレミアムフードにこだわる必要はないかと・・・。
愛猫そよ姫のように体が弱かったり少食気味だったりする場合は、実際効果を感じている「オリジン」や「カナガン」などがオススメです。
しかし猫さんの健康に問題や不安がないのなら、安すぎるものはオススメしませんが、必要な成分の基準値さえ満たしていれば十分健康維持は出来ますよ。

発信してる私が言うのも何だけど、ネット情報を鵜呑みして神経質になりすぎるのも良くないってことだよ。
【まとめ】愛猫の健康の為にもより安全なキャットフードを
- 主原料が「肉」のキャットフードを選ぶ
- 何の肉か明記されているとより安心
- 着色料は猫に必要ない
- 「原産国」よりも「信頼できるメーカー」かどうか
- 安いキャットフードには安いなりの理由がある
キャットフードは、愛猫の健康な体づくりに欠かせない大事な栄養素です。
毎日食べるものですから、より安全なものを、飼い主さんにとって無理のない範囲で与えてあげてくださいね。
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