猫を飼う前に、知っておいて欲しい“猫の掟”があります。
猫との暮らしには笑えない悲劇(結果、笑っちゃうんだけど)も結構多く、猫初心者だった私も、そよちゃん(愛猫)に「あるある」をいっぱい喰らいました。
見た目の可愛さに騙されがちだけど、猫って自由と気高さの極み。
知らないで迎えると、たくさんの後悔をしかねません。
だからこそ本記事では、「猫の常識」をわかりやすくお伝えしていきます。
「ねこぐらし世界」を知ることが出来る、飼い主デビュー前の必読ガイドに仕上げました。

猫ってどんな生きもの??猫特有の生態

『ねこちゃんホンポ』が行った「猫を飼う上で一番難しかったこと」についてのアンケート調査によると、1位の「体のケア」に次いで2位にランクインしたのが「猫との接し方」。
その理由に「初めての猫で知識がなかった」という回答が多数でした。

猫は“自由の使い手”、独立心の塊
猫は仲間とうまくやることも出来ますが、本質は単独行動の生き物です。
- マイペース
- 自由奔放
- 気まぐれ
だからこそ、他の動物や飼い主とて、合わせない。
まるで、「わたし、猫だから」と全てを自分基準で決めるのです。
猫を迎え入れるなら「猫基準でOKか」が最重要。
そこが合わないと、どんなに可愛くてもズレが生じることも。
あとで、振り回されて後悔したって遅いですよ。
猫を手放すと不幸になります。
猫は“隠れハンター”、本能丸出しの狩猟家
見た目はふわふわでもふもふ。でもその中にトラの血が通っている思った方がいい現実があります。
- 突然走り出す破壊ダッシュ
- 腕や足のドリフトキャッチ
- 下手な遊びじゃ満足しない狩猟本能
素早さと爪の威力は本当にすごいです。
室内でストレスが溜まると、寝ている飼い主なんてお構いなしに腹の上も駆け上がっていきますから。
「カイヌシ」という役割を得た人間は、おもちゃ片手にキャットタワーの陰に隠れ、毎日がゲーム大会です。

小さいからって侮ってはいけないよ。
猫にとって、“家=縄張り”は自分の全て
猫には「縄張り意識」があり、猫にとって家は“自分の世界”。
- 自分のニオイを残し侵入者を拒む領域のこと
- 獲物を確保するための狩場
誰が出入りしても、ぐいぐいコントロールしにきます。
- パトロール
- マーキング
- 威嚇
これらは猫が自分の世界を心地良くするための行動。
急に家族構成が変わったら、威嚇モードに突入します。
だって猫にとっては、慣れ親しんだ飼い主さん以外の人が家に入るのは、突然縄張りを荒らされる脅威ですから。

全力で威嚇するよ。
猫って気まぐれ?――猫の性格とクセの真相
①「水?飲まないよ、食べるから」猫の水分補給事情
猫はお水をあまり飲みません。というか、猫の祖先は獲物を丸呑みして水分を摂っていたため、水をがぶがぶ飲む習慣がないんです。
だから、お水を器に入れて置いても、ほとんど飲まないのが猫。
そして、そんな猫にお水を飲んでもらう工夫をするのが人間(飼い主)。
水分不足は病気になるので、対策必須です。

うちのそよちゃんも自動給水器置いてからお水を飲んでくれるようになって、便秘も解消しました。
②「おえっ」は日常茶飯事?吐きやすいから気を付けて
実は猫ってよく吐くんです。しかも、すごい吐き方します。

私は初めて見た時、死ぬんじゃないかと本当に焦って血の気が引きました。
原因は毛玉だったり早食いだったり、空腹だったりと色々ですが、「よく吐く生き物だから」と放置はダメ。
よく吐くから、吐きやすい体質だからこそ、吐かないように工夫してあげるのが飼い主の務め。
また、病気かどうかの見極めも大事ですよ。
③「バリバリ!ダダダ!」爪とぎとジャンプはストレス解消
猫が壁や柱をガリガリするのは、イタズラじゃありません。
古代から続く「マーキング行動」と、「爪のメンテナンス」を兼ね備えた大事な本能なんです。
さらに、高い所に登るのも、縄張りのパトロールや安全の確保、狩猟前の準備運動。
だから「バリバリ!ダダダ!」はやって当たり前です。

キャットタワーいっぱい置いて。
④「猫トイレの神様は意外とシビア」理想のトイレは?
猫はトイレ環境にとても敏感です。
トイレが汚れていたり、場所が落ち着かないと他の場所でやっちゃうことも。
綺麗好きな猫のために、トイレはいつも清潔に。以下3点は厳守です。
- トイレの中は出来るだけまめに綺麗にしておく
- 定期的なトイレの丸洗いは必須
- 頭数よりも一つ多くトイレを置いておく
人間界よりも厳しい、“猫トイレの神様”を味方に付ければ、猫にも喜んで使ってもらえます。

トイレが気に入らないと膀胱炎になるよ。色んな病気になるよ。
⑤「気まぐれに見えて実はデリケート」猫のストレス事情
猫は見た目以上に繊細で、環境の変化や刺激に強いストレスを感じる生き物です。
たとえば引っ越し、騒音、来客など、「いつもと違う」に弱いし、慣れるまでにかなり時間がかかる。
ストレスは色んな病気を引き起こしちゃうので、できるだけ安心できる静かな場所を確保し、急な変化は避けてあげないとだめです。
「我が道をゆく」からこそ、我が道じゃなくなってしまうとパニックになる、ナイーブな生き物なんですよ。
- 大きな声や音
- 柔軟剤や芳香剤の香り
- 来客や外出
- トイレのニオイや汚れ
- 部屋の模様替え、引っ越し
- 過剰なスキンシップ
- トイレ以外でおしっこをする
- 爪とぎの頻度や箇所が増える
- 過剰なグルーミング
- 押し入れなどにこもる
- 攻撃的になる
⑥「しつけよりも環境改善」猫を動かすヒミツ
猫は犬と違って、“厳しくしつけする”なんてことは不可能。
というか、そんなことしたら嫌われて心を閉ざされて、猫暮らしが台無しです。
猫に関しては、猫がやりたいことを理解して、環境を工夫するのが効果的。
猫の行動をコントロールするには、叱るんじゃなく“選択肢を用意してあげること”が鉄則です。
- これをするといいことがある
- これをすると嫌なことがある
と覚えて学ぶので、飼い主さんが工夫すれば結果的にしつけられることもあります。

主従関係とか仲間意識とか、ないの。
⑦「自由は絶対、束縛は大敵」猫の独立心は強烈
猫は自由を何よりも愛する生き物。
強い束縛や無理なスキンシップは嫌がられます。
だからと言って放置していいわけではなく、「一緒にいたいけど自分のペースで」というバランスが猫との関係を深めるポイント。
猫のサインを読み取り、しなきゃいけないこと以外は嫌がることはしない。猫とは、自然と寄り添うスタンスが長続きの秘訣です。

呼ばれても聞こえてるけど無視するよ。
猫のコミュニケーションと社会性
ではどうやって猫とうまくコミュニケーションをとればいいのか??
猫の社会性についても紹介します。
「言葉はいらない、でも通じ合いたい」猫との静かな対話術

猫のコミュニケーションは、基本、無言です。
目が合ってもすぐ逸らされるし、触ると噛まれる。近づくと黙って去っていくし、用事をしていると目の前に座りだす。
でも、それが猫なりのコミュニケーションだったりします。
アイコンタクト、しっぽの動き、耳の動き、すりすり、喉をゴロゴロ・・・そうやって猫は、言葉の代わりに全身で語りかけてくる。
だから「わかりやすい反応がない=嫌われている」ではなく、「ただそばにいる=信頼されてる」のかも知れません。意外と。

大好きなカイヌシにはいつまでも「にゃー」って言うよ。
猫の鳴き声については、「猫の爪とぎブランド&そよちゃん愛用品」でお馴染みのカリカリーナさんがブログで紹介してくれているので、ぜひ参考にしてみてください。
「孤高のソロプレイヤー?」実は意外と社交的な猫の二面性
猫=孤独を愛する生き物、と思われがちですが、実は“気の合う相手”とは結構仲良くやります。
ただし、四六時中べったりされるのは苦手。猫はマイペースですから。
一定の距離感と、自由に一人時間を楽しむ空間は必要。
つまり猫は、「群れないけど孤独ではない」存在。
飼い主にとっては、“ひとりでいたい時間”と“甘えたい瞬間”を見極めることが、信頼関係を築くカギになります。
気まぐれなようで、ちゃんと猫なりのルールがあるんですね。

【まとめ】猫の世界を生きるには、猫の常識を知ること
猫は自由気ままでミステリアス。
だけどその裏には、ちゃんとした“猫の常識”と“猫なりの理由”があります。
水を飲まないのも、吐きやすいのも、爪とぎするのも、全部ちゃんと意味がある。
人間目線では「困ったな」と思う事も、猫目線で見れば「仕方ない」。
猫に限っては、人間の世界に猫がいるんじゃなく、猫の世界に人間がいる感覚でいるのが最適。その方がお互い、尊重しあえる最高の関係性が築けますからね。
猫の性格や行動の癖を知っておけば、焦ったり理解できなかったりすることも減ります。
人間の常識を手放して、猫の常識に身を委ねることが出来れば、猫好気にしか見ることが出来ない新しい世界と幸せを味わえますよ。
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