猫が触らせてくれない理由と、嫌がられずに触るための5つのステップ【猫行動学から学ぶ】

ねことの日々
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愛猫が全然触らせてくれなくて悲しい・・・。

この記事を読んでわかること
  • 猫が触られるのを嫌がる理由
  • 猫に触らせてもらう為のコツ
  • 猫を触る時の注意点

触りたいのに触れない…飼い主の葛藤、わかります

猫に触らせてもらうコツ


猫と暮らし始めて、最初に抱く願望と言えば・・・そう、「触れたい」です。

もふもふしたい、すりすりしたい。
出来れば頬ずりくらいしたい。

出来ればですが、できることなら。

でも現実は違いました。
近くにいるのに触ろうとすると、すっと距離をとられる。

めげずに触ろうとすると、猫パンチくらう。ひどい時だと(しつこく触ろうとすると)引っ掻かれる。

寝ている時にそっと手を伸ばしても、気配に気づいて立ち去られる。

「あら、私、嫌われてる??」と、静かにメンタルをやられる飼い主さんも少なくないでしょう。
私がそうでした。

ですが、今となっては触らせてもらえるようになった私(マウント)がまずお伝えしたいのは、「嫌われているとは限らない」ということ。

猫という生きものはとても慎重で、そして自由です。
触らせてくれないのには理由があります。

その理由をまず知るところから、猫との“触れ合いの奇跡”は始まるのです。

猫が触らせてくれない主な理由(猫行動学的解説)

猫が触らせてくれない
「そう簡単にはさわらせないよ。」

本能として「触られるのが苦手」

猫は、野性時代の名残として「体を触られる=無防備になる=危険」という意識を持っています。

特に背中、しっぽ、お腹・・・これらは急所であり、信頼関係が構築されていないとなかなか触らせてもらません。

つまり、猫にとって触られるという行為は、「身をゆだねる」という高度な信頼の証。

我々が思っている以上に、ハードルは高いのです。

社会化不足(人との触れ合い経験が少ない)

子猫のうちに人の手に慣れていないと、成猫になっても触られることに慣れず、警戒心が残ります。

保護猫さんなどに多く見られるケースで、「人の手は何か嫌なことをされるもの」とインプットされてしまっている場合も。

人間でいえば、初対面でいきなり肩を揉まれるようなものですね。
いや、それは怖い。猫も同じです。

トラウマや過去の記憶

過去に人間に無理矢理抱っこされた、強引に撫でられたなどの経験があると、「またいやなことをされるんじゃないか」という防御反応が働きます。

いくら今あなたが優しくても、「前の人」基準で判断してしまっている・・・。

切ないですが、これもまた猫と言う生きものの慎重さですね。

体調不良の可能性も

触ると怒る、逃げる、鳴くなどが急に増えた場合は、身体に痛みがあるサインかも知れません。

特に、触った時に「シャー―ッ!」と怒るのがいつもと違うなら、早めに獣医さんに診てもらってください。

猫は我慢強く、黙って痛みに耐える生き物です。

さわれない理由が「辛さ」である可能性も、忘れずに。

ただの「性格」(これが一番多い)

そして最後に、「単にそいうい子だから」という結論に至ることもあります。

人間でも、人に触られるのが平気な人と、苦手な人がいますよね?
自分からはいいけど、触られるのはちょっと・・・とか。

猫も同じで、「見ててくれたらいい」とか「そばにいることが満足」とか、そういう気質の子も多いんです。

嫌がられずに触るための5つのステップ

STEP①まずは観察・猫の今の気持ちを読む

猫は言葉を話しませんが、表情と動きで意外とわかりやすく感情を伝えてきます。

猫のNGサイン
  • 耳が後ろに寝ていたら「やめて」
  • しっぽをバタンバタンしていたら「イライラ中」
  • 瞳孔が開いていたら「攻撃準備完了」
  • 目を細めてのんびりしていたらチャンス到来かも

触りたい気持ちをぐっとこらえて、まずは“猫語”を読む訓練から始めてください。

そして、目を細めてのんびりしていたらチャンス到来・・・かも。

「触る前に猫の気持ちを読む」・・・これは基本です。

以下のタイミングは、猫にとっての「入って来られたくない領域」。触らないようにしましょう。

  • 寝ている時
  • ごはんを食べている時
  • トイレに入っている時
  • 毛づくろいをしてる時
  • 狩りの最中

ステップ②「指先でご挨拶」から始める

いきなり全身を撫でようとせず、まずは指一本から。

指先をそっと猫の鼻先に差し出して、猫がクンクンとにおいを嗅いでくれたらまずは第一関門クリアです。

これ、人間でいうところの「名刺交換」ですから、信頼関係はまずここから。

猫にとって“触っていい人”になれば、指先ではなく「鼻先でご挨拶」が日課になりますよ。

ステップ③「顔まわり」をそっと撫でる

猫が一番安心する場所・・・それは顔まわり(頬・耳の付け根・顎の下など)です。

このあたりは、猫同士でもグルーミングをしあう場所。

一瞬だけ、1秒だけ、撫でてみてください。
そしてすぐに手を引くのがコツ。

許された気になって触り続けると、不快な思いをさせて次回逃げられる危険性があります。

触りたさを我慢することで、触れるようになるという逆説的心理。それが猫との関係です。

ねこのきもちwebマガジンさんのアンケート調査によると、「愛猫が触ると嫌がる部位」のランキングは以下の通り。

  • 1位 前足・後ろ足(33.1%)
  • 2位 お腹(28.0%)
  • 3位 しっぽ(25.4%)
  • 4位 肉球(8.7%)
  • 5位 背中(2.7%)

トップ3は圧倒的なので、間違っても触ろうとしないように気を付けてください。

まいまい
まいまい

ちなみにだけどお尻トントンも喜ぶとは限らないよ。

ステップ④「長さ」「頻度」を欲張らない

触れるようになるとついやってしまうのが、「ずっと撫でたい」という欲望の暴走。
ですが猫は、長時間触られるのが苦手です。

1日5秒、1タッチ。それでも十分。

そう思って我慢してあげると、「すぐにやめてくれる」ことに安心して、また触らせてくれるようになります。

ステップ⑤触ったあとは「いいこと」をセットにする

「触られるといいことが起こる」と猫にインプットされると、猫の方もだんだんと「撫で=悪くないかも」に変わっていきます。

触ったあとはおやつをあげる、遊びの時間にするなどの、“撫でさせていただくトレーニング”は地味に効果ありますよ。

触らせてもらえなかった私が、今では「なでて!」と催促されるように

実は私自身も、長い間、愛猫そよちゃんに触らせてもらえない日々を過ごしておりました。

理由ははっきりしていて、私は病院へ連れて行ったり爪切りをしたりと、「嫌なこと担当」だったからです。

人間界で言えば、歯医者さんと税務署のようなものですね。信用されないというか、嫌われる立場。

それでも私は、諦めませんでした。

そよちゃんに触れたい気持ちはもちろん、家族である私の手に警戒し続けることは、おうちの中で安心しきれないと思ったからです。

触りたくてたまらない気持ちをぐっとこらえて、そよちゃんから寄って来てくれた時だけ、ほんのちょっと触れるようにしました。

そして、その少ないチャンスを絶対に無駄にしないように、撫で方も研究しました。

  • 声をかけながら
  • 毛並みにそって
  • 優しく
  • 少しずつ
  • しっぽが動いたらすぐやめる
猫の毛並みに沿ってなでる

この5段階プロセスを、丁寧に毎回繰り返してきました。

するとある日、そよちゃんの方から「なでて!」と言わんばかりに私を見上げて鳴いてきたのです。

撫でると、喉をゴロゴロ、体をすりすり・・・感動でした。
嬉しくて、可愛くて、泣いちゃいました。

しかもそれ以来、毎日寄って来て「早くなでて!」と催促するように。

信頼関係は、派手に築くものではなく、何百回の“そっとやめる”の上に育つもの。
そして、猫が「なでていいよ」と心を開いてくれるのは、こちらの“手”に安心できたときなんだと、痛感しています。

撫でた後そのまま私の手の上で寝てるそよちゃん。

逆効果になるNG行動

以下のことは、絶対にやらないでください。

嫌がるどころか、積み上げてきた信頼関係も一気にマイナスになる恐れがあります。

  • 猫を追いかけて無理やり撫でる
  • 寝てるところを急に触る
  • 抱っこをして暴れるのを抑えつける

せっかく触ることを許してもらえても、触り方が不快じゃ元も子もありません。

猫は強引な人が嫌いです。


猫の信頼は「静かに」、「少しずつ」積みあがる

今日、触らせてくれなかったとしても、猫があなたのそばでくつろいだり、寝たりしているなら・・・それはもう「好き」の証です。

言葉にせず、触れずともそっとそばにいる。
それが猫の愛情表現です。

猫にとって「触らせる」は、簡単に出すものではない最終奥義みたいなもの。

でも、だからこそ触れた時の喜び、そして触らせ続けてくれる日々は、他に代えがたいものとなるのです。

【まとめ】その日が来たら、静かに泣いてもいいと思います。

触れない事を悲しまなくても大丈夫。

猫は、ちゃんと見てくれています。

「触ってこようとしなかった」
「触ろうとしてきたけどすぐにやめてくれた」
「触ったけど一瞬だけだった」

そんなふうに、あなたの手が優しいこと、声で安心できること、全部わかっています。

そして、ある日ふと、そっと撫でた時に逃げなかった・・・喉をゴロゴロ鳴らしてくれた・・・そのときは、静かに泣いていいです、泣きましょう。

あなたと猫の信頼が、指先で繋がった瞬間、手のひらで固まった瞬間を、泣いてかみしめましょう。


触らせてくれない理由を知り、行動で改善していけばかならずそんな幸せな日はやってきます。


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