
猫に抱っこさしてもらえるコツがあるなら教えて欲しい・・・。
今回はこんな悩みにお答えします。
こんにちは。
突然ですが、人間の「抱っこしたい」と、猫の「触るな」がぶつかる時、そこに生まれるの悲劇です。
本記事では、猫を抱っこしたいあなたの欲望と、猫の尊厳を守るための心得について、真剣にお話します。

今回の記事では抱っこモデルをしてます。
猫にとって「抱っこ」とはどういうものか?
まず大前提として、猫は“自らの意志で世界と関わる”生き物です。
猫たちにとって、突然持ち上げられることは・・・そう、たとえば「空から突然クレーンで引き上げられるような体験」に近いのかも知れません。
地面から足が離れる=逃げられない状態。
これは捕食される側としての本能に強く訴える、「生存の危機」として認識されることも。
つまり、こうです。
人間の「癒し」のために、猫は命の危険を感じている事がある。
・・・重たい真実ですね。でも大丈夫。
うまくコミュニケーションをとれば、猫に「まぁ、いいよ」と抱っこの許可をもらえる日が来るかもしれません。

とにかく今日からは、むやみやたらに抱っこするのは一旦やめてくださいね。嫌われちゃうんで。
猫に嫌がられずに抱っこするための3ステップ

まずは「信頼の口座」に貯金を
超重要。
猫との信頼関係は“即金”では築けません。
日々のスキンシップ、ごはん、遊びの時間、距離感、無理強いしない対応、無償の愛・・・これらすべてが「信頼ポイント」になります。
抱っこは、ある種の高額引き出し行為。
十分に貯金してから試みましょう。
- 猫のペースに合わせる
- 声のトーンを一定に静かに話す
- 猫の好きなこと、嫌いなことを把握しておく
- 目を合わせすぎない
- 猫がくつろいでいる時は干渉しない
- 日常的にちょっとだけ触れる
タイミングは“ご機嫌”のスキマを狙う
- リビングでのまったり時間
- 甘えてきた時
- 近くでうとうとしている時
これらのタイミングは、猫の警戒心が一時的に薄れがちです。
この瞬間に、声をかけながらゆっくり、下から手を添えてみましょう。
「ん?」、「おい」といったような反応の場合はすぐにやめるように。
人間には時に通じる“押しの強さ”、猫界ではマイナス査定です。
抱き方は“神の手”ごとく
NG例を先にお伝えします。
- 背中からガッと持ち上げる
- 脇の下に手を突っ込んで吊るす
- 大声を出しながらテンション高めで抱く
これらは全て「掴まれた獲物」感MAXで、逃げられる(嫌われる)確率が高いです。
理想は、おしりと胸の下にそれぞれ手を添え、身体を安定させた状態でそっと持ち上げること。
(猫の重みを両手で受け止めるイメージ)


そして忘れないでください。
抱っこしている間も、猫の表情やしっぽの動きは常にチェックです。
- 耳が後ろに寝る
- しっぽがパタパタする
- うなり声を出す
は限界サイン。
すぐに床へおろすようにしてください。
抱っこをする時の“ルール5箇条”は厳守
ルールというより、「信頼契約」ですね。
1.抱っこは「猫からのOKサイン」が出てから
- しっぽをゆらり
- 目を細める
- 身体をすりよせる
これらは猫からの「接触許可証」。
無許可の抱っこは、罰金となり信頼残高も減ってしまいます。
2.急な持ち上げはダメ、背後からの奇襲はもっとダメ
猫にとって突然の持ち上げは、さらわれる感覚に近いとされます。
しかも後ろからなら尚のこと。信頼残高は一気にマイナスへとなりかねません。
3.逃げようとしたら引き止めない、潔く手放す
「まだ抱っこしていたい・・・」その気持ちはすごくわかりますが、それは人間の都合。
猫が降りたい素振りを見せたなら、最優先で尊重してください。
自由を奪った瞬間、あなたが猫にとっての“敵”となってしまう恐れがあります。
4.降ろし方もていねいに、着地の質は信頼の質
雑に床に置かれた猫は、「こいつなんやねん」と思います。
優しく、四肢がしっかり地面に付くように着地補助をするのが基本。
最期まで“安心感”を与えることです。
5.1日に何度もトライしない、抱っこは希少であれ
“レアなスキンシップ”だからこそ、猫も受け入れるようになるものです。
1日何回も抱っこしようとする人間は「しつこい人」としてカテゴライズされる危険があるため、我慢しましょう。
おわびのおやつは基本的にはNG
抱っこをしようとして猫が怒ったり逃げたりした時に、おわびのおやつをあげて機嫌をとる・・・というのは実はNG。
なぜなら、猫は因果関係にとても敏感で、「抱っこから怒って逃げる=おやつがもらえる」と学習してしまうからです。
そうすると「抱っこされたら逃げるのが正解」となってしまうので、抱っこを避ける癖がついてしまう恐れが。
さらに、状況次第ではストレスとなる抱っこから逃げた時に、ご褒美をもらうと、「ストレス」と「よろこび」の混乱が起きます。
ではどうすればいいのか?
それは、“そっとしておき、猫が落ち着いてから優しく話しかける”だけ。
そうすると「自分の意思が尊重された安心」と、「この人は無理強いしない」という信頼につながり、築いてきた関係性が壊れずに済むでしょう。
また、猫の性格やタイミングによっては、怒って興奮してしまう事があります。
その場合は、落ち着くまでの回復の時間を共有することが効果的。
静かに近くでそっと座り、「ごめんね」とちゃんと謝ることです。

おやつは、失敗したお詫びじゃなく成功した感謝であげるのがベスト。人間側の罪滅ぼしなんかでは猫の心は掴めません。
「おやつあげたくない派」の飼い主さんには、腎と膀胱に安心な『neco-ri(ネコリ)』をオススメしておきます。
完全に信頼しきっている人間にはすべてを委ねることもある
うちのそよちゃんは、私の娘には完全に心を許しているので、されるがままです。




本来、↑の画像のような脇をもって宙ぶらりんの抱え方は、NG。
体の安定が悪いため嫌がって暴れる可能性があるので、そもそも危ないんです。
でもご覧の通り、娘がやる分には全然OKな感じ。
じっとして降りたあともスリスリしています。

抱っこは“愛の最終段階”ではなく、“一つの通過点”
「抱っこ出来た=仲良くなれた」となる気持ちはわかります。
ただ、猫にとっては“気分が許した瞬間”だっただけかも知れません。
明日は拒否されるかもしれない。それが猫です。
でも、その“今日のOK”の重さを大切に味わうことこそ、猫暮らしの醍醐味ではないでしょうか。
【まとめ】猫の気持ちを翻訳できてこその抱っこ
猫を抱っこするという行為は、単なるスキンシップではありません。
それは猫という神秘の生命体から一瞬の“許可”を得る行為であり、私たちが彼女(彼)らにとって安全な存在であることの証です。
でも、その許可は永続的なものではない。
日々、信頼を積み重ね、彼女(彼)らの気まぐれとご機嫌の“周波数”にチューニングをあわせていく・・・
そんな生き方を選んだあなたに、猫の神様は微笑んでくれるかもしれません。
くれぐれも、猫の神様の逆鱗に触れるような強制、束縛はしないように気を付けてくださいね。
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