猫に支配されてこそ人は人で在る。9000年の歴史が証明していた“猫様”の記録

ねこ語り
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人間の歴史をざっくりまとめると、農耕・産業革命・IT革命・・・と、いろいろありましたね。

でもその裏には常に一つの真実があります。


―――私たちは、猫に仕えて生きてきた。


古代も現代も、人間はせっせと猫のお世話係。
ごはんを用意し、寝床を整え、トイレを掃除し、夜中に起こされては狩られ・・・。

そんな関係がいつから始まったのか。

さかのぼってみると、なんと6000万年前の生き物にたどり着いたのです。

猫のはじまりは「ミアキス」??猫のご先祖候補

「猫の祖先=ミアキス」という説明を聞いた事がある方もいるかも知れません。

ミアキスは6000万年くらい前(恐竜絶滅の後)に生きていた小さな肉食動物。

リスみたいな体型で、今の猫や犬、イタチなど肉食動物の共通のご先祖グループと言われています。

ただ、最近の研究では「ミアキスは猫の直系の祖先とは言い切れない」ことがわかってきました。

つまり、“猫の直系ご先祖”というよりも“猫の親戚がたくさん生まれたおおもとのグループ”です。

猫の歴史はここから枝分かれしていくことになります。

ネコ科の誕生(ヒョウとの分かれ道)

「誕生秘話」、「ヒョウ」と聞くと北斗神拳を思い出すのは私だけでしょうか。

leopard on brown log
Photo by Flickr on Pexels.com


およそ2500万年前、ミアキスから分かれた原始的なネコ科「プロアイルルス」が登場。

その後、約2000万年前になると「プセウダエルルス」という種類が現れ、ここから本格的にネコ科が広がっていきます。

やがて進化の道は大型ネコ科小型ネコ科に分類。

引用元 Wikipedia
  • 大型ネコ科
    大きな体と力を武器に、広い草原で獲物を倒すスタイルを進化
  • 小型ネコ科
    小さな体で俊敏に動き、森や岩場で小動物を狩るスタイル

今の「ネコ科(ライオン、トラ、ヒョウ、イエネコを含むグループ)がはっきり出そろったのは、大体1000万年前以降になります。


そして“イエネコ属”が出てくるのは約200~300万年前。

つまり、私たちが家でモフっている“あの猫の姿”が完成したのは、つい最近のことなのです。
(今、おうちの猫ちゃん想像してにやけていますね?)

イエネコの祖先は“アフリカのヤマネコ”

科学的にわかっているのは、イエネコの祖先はアフリカヤマネコ(リビアヤマネコ)だということ。

この子たちが人間の村に近づき、「ネズミ捕りのプロ」として重宝されるようになります。

当時、近づいてきた猫を見た人間がその可愛さに悶えたことは安易に想像できますね。


実際、最初に猫と人が一緒にいた痕跡は約9500年前のキプロス島のお墓で、一緒に仲良く埋葬されていたそうです。

つまり、すでに「ただの野生動物」ではなく「一緒に暮らす存在」になっていたということ。

私も9500年後にそうやって発見されたいです。

古代エジプトで猫は神になる

エジプトに来ると、猫の地位は爆上がり。

“猫の女神「バステト」”が登場し、猫は神扱いされました。


壁画や彫像に猫の絵が描かれ、猫をミイラにして祀る文化も広がります。

当時の人にとって猫は「ネズミ退治の救世主」+「神聖で美しい存在」

ここで猫は、ただのネズミハンターから「宗教的なアイドル」へと大出世したのです。

中世ヨーロッパでイメージダウン

ところが中世ヨーロッパでは、猫は「魔女の使い」として怖がられる存在に。
黒猫は特に「悪魔の化身」とされ、各地で迫害を受け、数が大きく減ったと伝えられています。

ところがそのタイミングで、ヨーロッパを襲ったのが「ペスト(黒死病)」でした。
ペストはネズミに寄生するノミが媒介する病気で、当時の人々は理由もわからないまま、次々と命を落としました。

「猫が減ったことでネズミが増え、ペストの流行を助長したのではないか」という説もあります。
因果関係を断定できるわけではありませんが、人々にとっては「猫を粗末に扱った報い」として語り継がれるには十分な出来事でしょう。

結局、人間がどうあがいたって最後には猫の必要性を思い知らされるのです。


そしてやっぱり、猫はしたたか。

ヨーロッパの港町や船の上では、ネズミ退治の船員として必要とされ、着々と勢力を広げます。

「魔女の相棒」なんて呼ばれながらも、裏ではちゃっかり物流インフラの必須メンバーとして生き残っていたわけです。

日本に渡った猫たち

日本に猫がやってきたのは、仏教と一緒に中国から船で渡って来たのが始まりと言われます。

書物や経典をネズミから守る役割が大きかったそうで、猫がいなかったら私たちに仏の心は伝承されていなかったのかも知れません。

その後、江戸時代には「招き猫」が登場。

商売繁盛のシンボルになり、猫=福を呼ぶ存在というイメージが定着しました。

近代と現代、猫は野生のままで人に寄り添う

犬は人間によって大きく改良され、色んな役割を担うようになりました。

けれど猫は違います。

そもそも、猫と人が一緒に暮らすようになったのは利害の一致。
この時すでに小さなハンターとして完成されていたため、能力を変える必要がなかったのです。(野生動物としての能力が極めて安定していて、用途に合わせて改良する余地がなかった。)

では、ネズミ退治をしてもらう必要がなくなった今もなぜ、猫は改良されないのかというと、

  • 遺伝子的にほぼ完成している
  • 人間に利用される必要がない
  • 存在自体に価値がある

から。

そして猫が唯一「変わった」と言われているのは、

  • 気質の変化
  • コミュニケーションの進化
  • 顔や模様の多様化

といった人と暮らすための適応能力です。


つまり猫には、“人が「ペット」に求める全て”が完璧に備わっているということ。

「もっと色んな可愛さを!!!」を求め、ペルシャやマンチカンのように多少の外見のバリエーションは増えましたが、大きさや本能、性質などの本質的な部分は、猫が改良される必要を与えなかったのです。

実際に、遺伝子研究でも「形はほぼ変わらず、性格が“人のそばで暮らせるように少しだけ変わっただけ”と言われています。

だからこそ猫はツンデレ。
野性のしなやかさを保ちながら、「まぁ、人間のそばも悪くないな」と思って暮らしているのです。

実は遥か昔から「猫の計画的支配」だった説

人間は「ネズミを退治してくれるから」と猫を受け入れたつもりでいますが、実際はその頃から、猫の人類支配計画が始まっていたのかも知れません。

というのも、猫ってちょっとずつ可愛く進化していってるんですよね。

たとえば、

  • 赤ちゃんの泣き声に似た鳴き方
    →人が放っておけない
  • リラックス効果や治癒効果を持つ周波数のゴロゴロ音
    →人を依存させる
  • ベビースキーマの特徴が強化
    →人が愛おしく感じる
  • ゆっくりまばたき
    →人の愛情ホルモンを増やす

など。

これらはすべて、実際に論文やデータ、行動学的裏付けがあります。

つまり人間を、「猫の世話をせずにいられない生き物」に、進化しながら仕立て上げているのではないか?と、私は考えているのです。

SNS時代に世界征服を達成しつつある猫

古代壁画に描かれていた猫が、今はインスタやYouTubeに登場し、世界中の人々に崇められています。

「有名な猫」がニュースになる時代で、バズる動画も、人気アカウントも、やっぱり猫。

人間がスマホを開き、スクロールするのは猫を見るため。
不眠に苦しむ人達の中には、YouTubeにアップされている猫のゴロゴロ音を聞いて寝ているなんて話も。

仕事の休憩時間、家事の合間、疲れた時に人が求めるのは猫の動画です。

こうして猫はついに、世界征服を果たしつつあるのです。

【まとめ】猫に支配されてこそ人は人で在る

ミアキスから始まり、ヤマネコを経て、神になり、魔女の相棒になり、招き猫になり、そしてSNSのスターになった猫。

一方の人間はどうでしょう?

古くからずっと猫のごはん係であり、トイレ掃除係であり、早朝に起こされては放置される存在です。

でも、それこそが人間らしさなのかも知れません。

だって歴史がそう証明しているのですから。

猫を魔女の相棒にでっち上げた結果、苦しんだ人々。
それでも消滅どころか、勢力を強めていった猫。

勝てないんですよ、猫には。

なので、猫のために働き、猫のために部屋を改造し、猫のために頭を抱える・・・そうやって猫に支配されてこそ、私たちは人で在ると。


人間を支配する要素を兼ね備えた猫に、支配されている私たちは「最高の人間」なのです。




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