
うちの猫あんまり遊ばないんだけど・・・これってダメなの?
今回は、こんな疑問におこたえします。
「猫じゃらしを買っても流行りのおもちゃを買っても、猫が遊んでくれない・・・」
もしかして、なんとなく猫じゃらしを振っていませんか??
実は猫との遊びかたには“正しいコツ”があるのです。
猫の行動学に基づいた遊びは、ストレスや問題行動の予防に役立ち、猫の幸福度もグンと上がります。
今回は、猫行動学の専門家ジャクソン・ギャラクシー氏のメソッドをもとに、猫と遊ぶ方法・・・いや、猫に遊んでもらえる方法を解説します。

猫が遊ばない理由は性格だけじゃない
「うちの子、遊びに全然のってこない・・・」と思っている方も多いかも知れません。
でも、猫が遊ばないのはやる気がないからではなく、遊びの内容や環境が合っていない可能性があります。

猫は野生時代の本能が強く残ってるんです。
ジャクソン氏曰く、「猫の遊びは“狩りの本能”を満たすことが目的。単調な動きのおもちゃでは本能が刺激されず、興味をしめさない事も。
また、遊ぶ時間帯が間違っていたり、手で遊ぶ癖がついてたりする場合もあります。
大切なのは、猫のペースに合わせて、動きやタイミングを工夫すること。
遊びは猫との信頼関係を深める、大切な時間です。

「猫の狩猟本能」を満たすのが、遊びの基本

猫にとって遊びは、単なる「遊び」ではなく「狩りの代替行動」です。
ジャクソン氏は「猫の本能をなだめるには、狩猟サイクル(狩り→捕獲→食事→休息)を満たすことが重要」と説いてます。
「遊び」という意識を変える
猫はハンター。そしておもちゃは獲物です。
猫の日々の行動は全て、狩りを行う為と言っても過言ではないくらい、狩猟動物の本能に従って動いていることをまずは理解してあげましょう。
- 寝る
狩りに備えた体力の温存 - 爪を研ぐ
狩りをする準備、武器の手入れ - 家の中をウロウロする
縄張りのパトロール
ハンターリズムを知る
猫には、以下のような「ハンターリズム」というものがあります。
- 狩りをする
- 獲物を捕らえて食べる
- 毛づくろいをして寝る
このリズムを無視しては、満たされません。
もちろん、飼い主さんだって忙しいでしょうし、完全に猫に合わせることは難しいかとは思います。
でも、
- 猫が遊びたいタイミング
- 遊びに満足したかどうか
ちょっと意識してあげるようにすれば、夢中にさせるコツも見えてくるはずです。
具体的な遊び方
具体的な遊びかたは以下の通りです。
- おもちゃは虫や小動物のように動かす
- 物陰からチラ見せして興味をひく
- 獲物が逃げるように動かす
成猫と遊ぶには、「技」が必要。
猫本来の“狩り”を知り、本能を刺激することも重要ポイント。
- 忍び寄って襲いかかる
- 物陰に潜んで待ち伏せ
- 獲物が飛び出してくるのを待つ
- 愛猫が好きな獲物と同じ動きをおもちゃで再現
- おもちゃは一定ではなくランダムに動かす
- 猫がじっと集中し始めたら、動いたり止まったりしながら襲ってくるのを待つ
かすかな動きや、急降下・急発進などで様子を見て、「得意な狩り」が出来る遊び方をしてあげてください。
仕留めるまでが「狩り」
- 猫が跳びかかって来たら逃げて追わせる
- 再び襲って来るのを待つ
- 仕留められた後は死んだふりをして待つ
- 猫が確かめに来たらゆっくり逃げる
- 1~4の間で捕まったり逃げたりを繰り返す
「捕まえられないまま終わる」のは、猫にとってストレスになるため、必ず勝利感を味合わせて終わるようにしましょう。
猫がおもちゃをくわえながら移動する、もしくはおもちゃを手放した時点で、私たち飼い主の役目は終わりです。
1日2回、10~15分がベスト|遊びの“質”が大事
遊ぶ時間よりも「遊びの質」が大切。
短時間でも猫が満足すれば、過激な夜鳴きやイタズラが減ります。
愛猫の好みを追求する
猫によって、性格や好みの違いがあります。
- どんな獲物が好きか?
- どれくらい時間をかけるのか?
- どの狩り方法が得意なのか?
愛猫が好きな「狩り」を探り、追求してあげましょう。
遊ぶタイミング
- 朝と夜、1日2回がおすすめ
- 遊びの後はごはんorおやつで「狩猟の成功」を再現
- 満足するとぐっすり眠ってくれる
「動かしているだけ」にならず、コミュニケーションとしてしっかり遊びましょう。
おすすめおもちゃ3選|猫が夢中になる動きとは?
市販のおもちゃでも、動かし方次第で反応がまるで違います。
猫じゃらしタイプ

羽根やリボンが付いたもの。
左右に素早く動かしたり、ゆっくり移動してみたりと、鳥やネズミの動きを再現するのがコツ。
色んな種類を用意して、獲物になりきってくださいね。
トンネルや紙袋
遊びの「伏兵」。
おもちゃよりかくれんぼや追いかけっこが好きな猫におすすめ。
待ち伏せしたり忍び寄ったりしながら、驚かせないように活用すると「ハンターモード」に入ることも。

猫じゃらしと併用すると盛り上がりますよ!
自走式おもちゃ

どうしても忙しくて遊べなかった時や、タイミングが合わなかった時に便利なのが、自走式のおもちゃ。
人が動かさなくてもスイッチひとつで不規則に動いたり、音や光で猫の興味を引いたりして、猫がひとりでも遊べるように作られています。
留守中のストレス発散になりますが、慣れるまでは飼い主さんが一緒に遊んであげてください。
年齢・性格別|猫に合った遊びを選ぶコツ
猫にも個性があります。年齢や性格によって遊びを工夫してあげましょう。
年齢別ポイント
- 子猫:好奇心旺盛。動きの速いおもちゃが大好き。
- 成猫:狙いを定めるのが得意。獲物っぽく動かすと◎
- シニア猫:反応はゆっくり。優しい動きで短めに遊ぶ
子猫の時は、大抵のおもちゃに反応してくれますが、成猫になるとそう簡単には食いついてくれなくなることも。
シニアとなると結構スローになりますが、運動は重要。無理強いをしない程度に遊んであげてください。
性格別アドバイス
- 怖がりタイプ:音の小さいおもちゃ+物陰からそっと遊ぶ
- 活発タイプ:全身を使う豪快な遊びでエネルギーを消費させる
- 甘えんぼタイプ:飼い主との触れ合いを取り入れた遊び
怖がりタイプの子は警戒心が強く、「ハンターモード」に入るまで10分かかる子もいるそうです。
遊び不足がもたらす影響とは?
ジャクソン氏は、「遊びは猫との信頼関係を築くツール」だと強調します。
- 夜中の運動会・夜鳴き
- 家具への爪とぎ
- 飼い主への攻撃的な行動
- 肥満や無気力
- ストレスによる病気の原因
定期的な遊びは、これらの問題行動の予防・改善にもつながります。
遊び方で変わった!うちの猫のエピソード
うちの愛猫そよちゃんは、成猫になってからあまり遊ばなくなってしまいました。
最初は「そういうものかな」と思っていたのですが、運動不足がもたらす悪影響を知って、これは放っておくわけにはいかないと感じたんです。
特に、そよちゃんはストルバイト結晶を経験していて、運動によって尿の㏗が整うこともあると知り、尚更「どうにかして遊んでもらいたい」と思うように。
そんな時に出会ったのが『猫を幸せにする飼い方』という本。
書かれていた方法を参考にして、色んなおもちゃを試しました。

最初はなかなか反応してくれなかったけど、ちょっとずつそよちゃんの好みがわかってきて、今では一緒に遊んでくれるようになったんです。(全然ノってくれない日もある)
この本に書いてあった通り、しっかり「狩り」を体験した後は、ごはんを食べてぐっすり眠る。まさに自然の流れそのもの。
そんな姿を見ていると、私の方まで達成感があり、うれしくなって、今では遊びの時間が私にとっても楽しみなひとときになりました。
【まとめ】遊びで猫のQOLが劇的にあがる
猫との遊びは、単なる気まぐれなスキンシップではありません。
「狩り」を再現する遊びを通して、猫の本能を満たし、心身の健康を守ることが出来ます。
猫は「狩り」が出来ないと本能が満たされずフラストレーションがたまり、“夜鳴き、粗相、噛む、破壊する”などの問題行動を起こしちゃいます。
ジャクソン・ギャラクシー氏のメソッドを取り入れて、今日から「猫が夢中になる遊びかた」を実践してみてくださいね

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